新発田市山岳遭難対策協議会 平成17年度山岳遭難救助訓練


ブルーシートの応急担架 講師の説明 頭部の結束 所轄警察署員と研修 土のう袋アンカー
この位の大きさ 埋める アンカー強度を確認する 「つるべ」のセット システムの確認

会場   二王子スキー場(NINOX
日 時
    平成18032日(木)
参加団体 新潟県警山岳救助隊、新発田警察署、新発田地域広域事務組合消防本部、二王子観光開発(株)
     新発田市消防団、新発田市市民生活部地域安全課、下越山岳会

会参加者  JHφQZX(須藤)さん、JHφLOM(渋谷)さん、石井さん、坂井さん、JJφLTQ(私)
訓練会場 二王子スキー場(NINOX
天 候    曇りのち小雪
気 温     2日 0.7度〜7.4度 (気象データは新潟)
風 速  2M5M (気象データは新潟) 
風 向  南→南西→西→西北西
目 的    山岳遭難者の捜索活動に必要な技術を習得し、遭難救助活動を迅速にかつ適切に行うことを目的とす
る。(次第より抜粋)
装 備     日帰り冬山低山
準備用具:ワカン、Wストック、プローブ、カラビナ、ハーネス、シュリンゲ、ヘルメット、ピッケル
防寒具:カッパで代用・フリース                                                       
飲み物:水1.0L
食料品:おやつ程度
その他 なし

概要
219日、県山協の行事の際、会の会長から本日の話を聞いていた。市山岳遭対協議会の合同訓練で、合同で行うのは今回が初めてだそうである。個人的には遭難しないように充分に注意が必要なレベルの登山者であり自分の立場を考えると微妙なところである。しかし、自分の知らない技術に触れることは大きな刺激になるし、学ぶ気持ちを高める。そんな理由から参加した。

朝、815分に五十公野公園で集合し、NINOXスキー場に向かう。半日の研修なら、午後から少し、買ったばかりのスキーも試そうと考えていたが、前日、会長より午前中は合同で、午後から、県警山岳救助隊と消防の訓練が引き続きあり、当会も参加する予定との事。スキーは後日することにする。要請されたカンジキ、プローブの準備をしていると当会々長にやむを得ない急用が出来てしまい帰宅する事となり急遽、二王子の生き字引と言われるJHφQZXさんに応援をお願いし参加頂いた。

スキー場の駐車場で2班に別れ、プローブ研修とカンジキ歩行の訓練を行う。当会は、カンジキ歩行の講師役となっている。若い新発田警察署の署員の方ではカンジキ歩行は初めて、或いは、消防団の方でも不慣れな方もいらっしゃる。プローブとカンジキの研修をローテーションで廻っていただき、その後、新発田広域事務組合消防本部の指導によりブルーシートを使用した応急担架(搬送ボート)の訓練を行った。当初、普段、山にブルーシートは持ち歩かないと考えていたが、レスキューという視点で見れば救助地点まで救助ボートを持ち上げる事は重量を考えると得策ではない。やはり、レスキューハーネスか積雪期であれば簡易な担架で安全に降ろす事になると思う。ここまでで、午前中の研修は終了し、市遭対協議会のオフィシャル行事としては終了。


午後からも一緒に訓練をするつもりの、消防さんは、海で水難事故との事で急遽引き上げていかれました。山岳遭難救助訓練から海での水難事故対応、山〜海までの当地ならではのご苦労と思います。仕事とはいえ頭が下がります。(翌日の報道では、新潟東港でロシア人の方遺体が上がったとの事)ご苦労様でした。

スキー場の食堂で食事を摂り
13時にゲレンデ前に集合しリフトに乗り手ごろな斜面で研修開始。午後からの研修は、雪山でのアンカーの取り方、プーリーを使った受傷者の引き上げである。アンカーの取り方としては、1t以上の荷重に耐えられるものを選ぶ事。目安で云えば、手で掴んで指が廻りきらない程度の太さがあればOKとのこと。細かい枝をまとめた方法、カウヒッチと止め結びで結びアンカー(支点)とする方法を学んだ。
この方法では、私達が通常持っているシュリンゲより長めの物が取り扱い易かった様に思いました。(2.5M程度の長さがあった方が良いようだ。)
その後、流動分散等を研修し、ピッケルを使いアンカーとする方法。一番、効いたのはマタイ袋(土のう袋)に頭程度の大きさに固めた雪を入れ踏み固めた雪面に
30cm程度の穴を掘り、雪を詰めた土のう袋を埋め固めアンカーとする。これが意外と強固なアンカーであり実用的と思った。最後に、ペツルのプーリーと滑車、ユマールを組み合わせたシステムで通称、「つるべ」と呼ばれる方法で吊り上げ訓練を行い終了した。


ロープワークはその時、判ったと思うが直ぐに忘れる。座学とフィールドでの研修の繰り返しで覚えるものと思う。フィールドでの研修で判ったと思っても直ぐに忘れる。インドアでのロープ研修、確保システムの理解が大事だと思う。インドア・アウトドア交互の繰り返し研修が必要と感じた。
また、救助要請があり動員の依頼があった場合各公的機関、山岳会関係の方々の装備は事前に確認できないので地元山岳会では個人の装備品を出来るだけ持参して頂いて集合場所で情報の収集と装備品のすり合わせ、確認をしたい。との事でした。

「捜索」という初期作業と「救助」という作業は当然、携わる方々の量と質の違いはあるものと何となく感じました。この点はHZUさんの専門分野だけに、機会があったら教えを請いたいと思います。

いろいろ勉強させて頂きました。ありがとうございました。
救助の訓練は、私達シロウトから見ても、スピードと安全の狭間で非常に洗練された技術と感じます。

個人的には、積雪期、無雪期の年2回位はこの様な訓練・研修を企画いただきたいと思います。
また、繰り返し続ける事が一番大切だし、単発では意味がないのでは?
と感じました。

PS
この様なレスキュー技術系はやはり、クライミングギアに依存しているものが多い様に感じますし、沢登、レスキューの基礎的な器具・技術部分を担っているは、アルパインクライミング技術だと思います。
レスキュー技術を単独に覚えるよりは岩登りとか、沢登り技術を学んだ方が応用が利く様な気がします。
私は、本チャンの岩場へは行く事は無いと思います。ゲレンデ止まりだと思います。クライミングの練習をするのは、ロープワーク、沢登りが上手くなりたかったからです。
杉滝岩へ行くきっかけは、よしださんと沢登りの最中の会話からでした。でも、やればクライミングはそれはそれで楽しいです。
でも、基本的には私の岩登りトレーニングは、沢登りと、ロープワークの訓練の為です。
そう云いつつ、スッキリした岩肌を見ると弱面を探して想像しちゃいます。
ダブルアックスでバルタン星人みたいな格好した、アイスクライミングにも興味がありますが、場所が近場に無いですから・・
これからも、自分の登山の幅を広げるために少しづつ色々な事を試してみたいと思います。


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下越山岳会雪上技術講習会

開催日 平成18年3月4日(土曜日)
概要
かねてより、雪上技術講習会を幹事会の方々にお願いをしていました。どこかの山に登山して行うという事ではなく市内赤谷地区の道路脇の斜面を使い基本的な事柄を中心に行った。

参加者
松尾さん、JEφDAE(坂場)さん、JHφWJU(上條)さん、清野さん、JHφVXT(川崎)さん、石井さん、坂井さん、中村さん、
JJφLTQ
担当  JHφWJU(上條)さん
講師  JHφWJU(上條)さん JEφDAE(坂場)さん

天候 曇り
午後12:30分五十公野公園に集合して赤谷の奥に向かい適当な斜面を探し場所を決める。雪上技術講習でおこなうものの多くは、使わずに済めばそれにこしたことはない。しかし、練習は繰り返ししておくものだ。それに、その様な山行は殆ど無いが、必要となる場所へ向かう山行になり、それから練習というのでは些か心細い。訓練はしておくものだ。と思いつつも普段、山に登っている時に、なかなか滑落停止訓練などしないものだ。まして、単独で登っている時に滑落停止訓練を繰り返し行う事は気持ちのうえで辛いものがある。
ということで、やはり会の主催で行う事が適当と思う。

講習内容
@滑落停止
Aスタンディングアックスビレイ(肩絡み、8環)によるセカンド確保
B自己脱出
C雪原状態での支点の取り方(スノーバー、デッドマン、土のう袋)
皆さん、楽しくも真剣に取り組んだ。このような講習も、前述の救助訓練同様に継続事業として繰り返し行っていただきたい。

今年は、その他に沢登り講習会が会として企画されている。
また、今年は個人的に大河原さんに岩登りを教えて頂きたいとお願いしている。岩登り講習はインドアでのロープワーク研修と兼ねて行っても良いのでは?と思っています。
ロープワークは直ぐに忘れるので、ただただ繰り返し行う事が肝要。現場で「確保」「懸垂下降」ってどうだっけ?では困る。無意識に行える様にしておくべきである。


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